こわい話 中学生までに読んでおきたい日本文学 松田哲夫
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面白い本が読みたくなったので図書館へ行く。久しぶりに行くと広くスペースをとって階段コーナーが設けられていた。以前俺が借りた本も並んでいた。面置きになっている本で非常に興味深くて借りたのがコレ。なんなんだろ。切り絵とも違う。墨みたいな?何となく不気味さが漂っていた。ひらがなで「こわい話」と書いており、小さな字で「中学生までに読んでおきたい日本文学」と書かれていた。あーオムニバス形式のお得なタイプのやつね。でもまあ中学生までって言ってるからオバケ、幽霊の類。水木しげる、京極夏彦的なアレですね。なんて思って手に取って目次を確認する。

萩原朔太郎「蛙の死」
夏目漱石「夢十夜 第三夜」
内田百閒「豹/鯉」
江戸川乱歩「白昼夢」
半村良「箪笥」
坂口安吾「桜の森の満開の下」
中島敦「牛人」
岡本綺堂「利根の渡」
菊池寛「三浦右衛門の最後」
志賀直哉「剃刀」
夢野久作「瓶詰地獄」
星新一「鏡」
島尾敏雄「鉄路に近く」
山川方夫「お守り」
太宰治「トカトントン」

この顔ぶれはヤバイっしょ!!メンバーが凄すぎ!!このメンツで読まないのは絶対損だと確信した俺は速攻で借りた。しかも、恥ずかしながら夢野久作の瓶詰地獄以外は初めての作品ばかり。でもタイトルだけでそそられる。

個人的に唸ったのは夏目漱石、内田百閒、江戸川乱歩、坂口安吾かなぁ。まさに日本文学の巨匠。レベルが違いすぎる。なんかもう引き付けられるんだよねぇ文章に。こんな文章見せつけられたら途中退場出来るわけないもん。いや本当に凄まじい。神の領域だわ。子供に難しいような単語については文章の下に説明文が入るので読みやすかった。それぞれの作家のファンになるような作品を選んでるねぇ~。どの話も「この人の作品がもっと読みたい」と思わせる。志賀直哉の剃刀は、笑うせぇるすまんの「切る」、水木しげるの「暑い日」(畏悦録―水木しげるの世界 収録)の元ネタっぽかった。嫁にも読んで欲しいと懇願したが、まるで興味がなかったので諦める。

あとがきで松田哲夫さんが「底の知れないものは恐ろしい」と書いてあるが、正しくこの言葉がこの物語すべてに共通する点だ。オバケや妖怪とも言い難い。何とも説明が付かない怖さ、気味の悪さ、不気味さ、後味の悪さ、不思議さ、謎……そんな何て言えばいいのか分からないけど嫌な感じ、でも不思議と引き付けられる怖いもの見たさ、ページの先にある結末が気になり次の行を読むときの緊張感。久しぶりに熱中して本を読んだ。つい勢いで星新一、坂口安吾、江戸川乱歩の短編集買っちゃったよ。ハマるとこれだもんなー。

2017年4月19日 あーあの時あーしとけばいいのにぃ(´;ω;`)めだまの絶対オススメ後味の悪いトラウマ作品集♡

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