映画鑑賞77 高畑勲、『かぐや姫の物語』をつくる。~ジブリ第7スタジオ、933日の伝説~
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「映画鑑賞76 ポニョはこうして生まれた。 ~宮崎駿の思考過程~」同様にモノづくりをする人間じゃなきゃ楽しめないドキュメンタリーになっている。普通の消費者兼視聴者は、途中で飽きてしまうだろう。 俺もこのブログとは別名義で作品を作ってたりするんだけど、 最近は作品を作っている人がどんな風に作っているのか?どんな風な気持ちで日々を過ごしているのかが気になって、そういうのばかり見ている。

出来上がるまでの試行錯誤や現場の緊迫した緊張感がとても面白かった。同じジブリなのに宮崎駿と高畑勲でこうも違うのかと驚いた。宮崎駿の時は、多少気難しい時がありながらも現場自体は明るく朗らかで、働いている人たちもどことなく温かみを感じた。しかし、一方で高畑勲の現場は、製作期間が長いにもかかわらず進行具合が芳しくなく、緊張感が半端なかった。長編アニメ映画を製作している現場には見えない。空気が全く違う。高畑監督自身もよくわからないまま製作が進行し、間違った絵コンテが逆に良い…といったアニメーター泣かせのツッコミが凄い。よくやってるなぁ…というのが率直な感想だ。

それでも、その場にいる全ての人間が「かぐや姫の物語」に人生をかけて取り組んでいる。どれだけ書き直し、やり直し、指摘を受けても何度も何度もやり直す。全く妥協は許さず、徹底的にこだわって進めていく。そりゃ時間がかかるわけだ。長年の盟友である鈴木敏夫プロデューサとも全力でケンカをする。お互いに映画を完成させる目標を目指していても衝突する。

この時の高畑監督が70代。信じられるか?70代のお爺ちゃんが、絵コンテ書いて、長編アニメ映画を作ろうってんだよ?信じられないわ。俺の近所に住んでいる年寄りなんて毎日ボケーっと汚い野菜育てて、決まった時間に散歩か徘徊かわかんないようなウロウロをして、寝て次の日。つーか、ほとんどの年寄りが多分そう。それってもう死んでるよな。この世界に残すものが何もない。死ぬのを待っているだけになってる。だから、同じガードマンでも70代のジジイがいて全然使えないし、NGや出禁ばっかりだけど若くて働かないカス共よりずっと偉いよな。そんな70代の化け物が世に送り出した「かぐや姫の物語」を見た人も見てない人も一度このDVDを見ることをオススメする。

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