栞と紙魚子(新装版)(1)/諸星大二郎


御茶漬海苔先生、伊藤潤二先生、古賀新一先生の漫画をこよなく愛した少年時代。漫画を読んでいると作者がふざけて登場したり、ホラーなのにちょっとギャグを交えたり、ホラータッチでギャグマンガをたまに書いたりとお茶目な部分が見えたりする。しかし、絵がホラーなので全然ギャグに感じない‼というギャグ。本当に斬新だ。

諸星大二郎先生の作品を唯一読んだのは、ホラーコミック傑作選 (第1集) HOLY (角川ホラー文庫)の短編「小人怪」。中国の妖怪話みたいなのが原作のようだが、人間の真似をするネズミを諸星先生が不気味なタッチで描く。怖いというよりは気持ち悪い。「HOLY」は、有名な怪奇漫画家の先生がそれぞれ一作品を掲載していて、どれも傑作ぞろいなのだが、諸星先生の「小人怪」と日野日出志先生の「はつかねずみ」は別格の恐ろしさだった。今でも内容や絵を鮮明に思い出せる。よっぽど当時トラウマだったんだと思う。

栞と紙魚子を読んだ時、高橋葉介先生の「学校怪談」を思い出した。こち亀のような読み切りで、内容がギャグホラー。そんな点が似ているのかもしれない。何でもない日常の中で不思議な現象やこの世界のモノではない何かが突如現れる。最初は普通の一日から始まるが、段々と違う世界に入り込んでいく、その展開が面白い。怖がったりしながらもさほど慌てない主人公たちも笑える。伝説も数多くある方なので、気になった方はウィキペディアを見るといい。

宮崎駿監督が「僕の好きな漫画家は諸星大二郎なんです」と発言したらしいが、「崖の上のポニョ」のポニョのデザインは、栞と紙魚子に出てくるクトルーちゃんだと思う。一番のおすすめは「青い馬」。気が狂ってて最高。