2024年5月15日 入院俺日記入院俺日記~基底細胞癌手術~【2日目・手術】
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 昨夜は相部屋の爺さんたちの唸り声が凄くてなかなか眠れなかった。痛い痛いと呟き、最終的にはナースコールを押していた。入院していて思うのは医療従事者や病院関係者が凄いってコト。これだけ働いて、丁寧に仕事して、素直に尊敬する。100均で買った耳栓とアイマスクで何とか眠る。寝る前にスマホは完全シャットダウンし、ヨガやストレッチをした。

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 朝4時45分くらいに目が覚める。外が明るい。外というか部屋というか。昨夜8時以降は水しか飲めないので朝食昼食はなし。食べるのが大好きな人間からすると普通に地獄。空腹で悶絶していたが、しばらく経つと慣れる。15時手術の予定だったが、一人キャンセルが出たらしく、13時15分の手術になった。誰だか知らないが感謝だ。俺の空腹時間が2時間短縮される。あとは手術を乗り越え、何日拘束されるかだ。早く肉とかラーメンとか食いたい。作業したいけど空腹で頭が回らない。断食は体にいいからちょうどいい。キリストは40日断食したらしいが信じられない。久生十蘭とか内田百閒とかよりにもよって不気味系の作家の文庫持ってきたのも失敗だ。ナガノでももってくればよかった。

 とにかくやることがない。ゴロゴロしている。そういえば全然休んでないなあと感じる。ヒルティとアランの幸福論、内田百閒の短編を何個か読んでゴロ寝。とっとと終わらないかなあ。同室の患者さんたちはリハビリとかやっていて大変そうだ。11時まで水は飲めるが、それ以降は水も飲めない。とりあえず買ったペットボトル500mlを飲み切って、ベッドで転がっとく。小説書く。スマホを見ると嫁と実家の家族たちからLINEが来ていた。かなり大げさで、逆に大丈夫か不安になる。目を瞑り、仰向けになり、両手をお腹のあたりで組んでいたら自然と眠くなった。看護師さんが来て目が覚めたけど、座禅や瞑想に近い感じだったかもしれない。凄く精神が落ち着いた感じがする。断食も効いているのかもしれない。体が軽く、浄化されている感じ。食べたいって欲求もない。まあ、出されたら食うけど。昨日の20時以降の断食だから17時間、手術の時間入れれば20時間くらい断食することになるのか。

手術①

 舐めてた。4月に生検していたから大丈夫だと高を括っていたら全然キツイ。ガッツリ手術だった。13時15分に看護師さんが来て、折りたたんだ車椅子なんかひいてるから「オーバーだなあ」とか思いつつ、手術までの待機時間がとんでもなく長かったのでガチガチに緊張する。洋画のような手術室に通され、本格的な手術室に緊張がマックスに。血の気が引いた感じ。正直もっとしょぼいかと思っていた。先生たちはドラマみたいな全身緑とピンクの格好で、本格的な手術台。コレはちょっとヤバい。パニック発作が起きるかと思った。血圧もクソ高かったようなので、バキバキに緊張していたみたい。いざ手術台に横になるとマジで余裕がない。見てないけど顔面蒼白だったと思う。童謡(?)みたいな音楽が流れていて、それが結構気持ちを落ち着かせる。無音は怖い。あとは俺の緊張っぷりを感じ取ったのか、それともいつもそうなのか。先生たちは冗談を言いながら明るい感じで、時折笑ったりしながら手術をしていた。賛否両論分かれそうだけど、俺は安心できた。無音で暗い感じだと、ちょっと怖すぎて耐えられないかもしれない。とにかく、ずっと怖い。しかも、全身麻酔じゃなく局部麻酔なので、俺は意識がある状態。これはこれで怖い。なんか色々左右から話しかけられるけどよくわからない。

鼻周りを念入りに顔中をアルコールで徹底的に拭き上げ、その間左腕に点滴、なんかもうよくわからない。体中にいろんなものをつけられ、差し込まれ、色々準備。

「緊張してます?」「リラックスしてくださいね」とかいやいや無理でしょ。無理無理。絶対無理だよ。初めての本格手術、頭の中で関係のないことを考えて意識を別方向に向けようとするが、そんなん無理。目の前の大量の情報に脳が爆発する。鼻の穴にグリグリとアルコールの何かしらを詰め込む。呼吸は左の鼻の孔と口呼吸のみ。追い込まれていく。そしてようやく始まる手術。時間は45分とか言ってやがる。地獄かよ。鼻に死ぬほど痛い局所麻酔をぶち込まれて地獄スタート。この麻酔が超絶痛いんだが、これを乗り越えればだいぶマシ。あとは無痛なのでやりたい放題にやってもらう。もうご自由にぶっ壊してくれ。

顔に大きな紙を被されるんだけど、もうズレちゃってる。メチャクチャ眩しい手術台のライトに思わず目が眩む。しかも、鼻の孔だから塗ってる糸の感覚とか見えちゃうし、感じちゃうし……とにかく最悪。てか凄い技術だよな。神の手だよ。俺は転がってるだけでいいけど。この人たち、毎回こんなことやってんのかよ。すげーな医者って。何を啜ってるのかわかんないけどホースみたいなのでズルズルズルズルってすげえ音で何かを啜り取っていた。終わって今更だけど何だったんだアレ。もう鼻がどうなってるのかなんてしったこっちゃない。その後も鼻の皮引っ張ったり、テープをベタベタ貼ったり、とにかく凄かった。マジで大手術。そんでガチガチにテープやらガーゼやらを貼り付けまくって、一応完成?ていうかとりあえず手術終了的な感じ?急に終わる。全身が疲れ果て、超脱力。20歳くらい年取った気分だった。先生は「あと向こう60年はね」みたいな長生きしましょう的なメッセージをもらった。97歳か、元気だといいなー俺。

車椅子に乗せられる瘦せ細った俺。この地獄がもう1回あるとか考えられねーんだけど。でもまあ初回ほどビビらないかな……多分。病室に戻り、点滴を外してもらう。体温も血圧も高い。緊張したから仕方ない。全身が怠い、熱っぽい、頭が痛い、ボーっとする。1時間前にいた病室なのに初めて来たような変な感じ。とりあえず横になる。スマホを見ようとしたら貴重品を入れる引き出しのカギがない。看護師さんが持ってったんや。鼻がズキズキしてきたので初めてのナースコール。カロナール貰って、鍵開封、飯も食っていいらしい。術後初の水は監視するらしく、看護師さんの前で薬を飲む。

手術は当然辛いけど、術後もなかなか怠い。頭痛と発熱、でもこれはアドレナリンのなんだかかんだかなので大丈夫らしい。多分防御本能みたいなヤツだと思う。普通の状態じゃないしね。まあ、そのうちよくなるでしょう。問題は鼻水、鼻づまり。なんかよくわからない薬みたいなやつを塗ってるから鼻水が止まらない。しかも片方が完全に塞がっているので、呼吸がしずらい。ただでさえイライラしているのに困ったもんだ。それから嫁に電話する。痛々しい俺の姿にひきつった顔をしていた。大手術だもんね。もっと話したかったけど疲れてやめた。手術終わって30分とかだし。親にも連絡し、その後はぐったり。鼻啜りながらこの文章を打っている。

夜飯で肉が出る。感動の肉。量は少ない感じだが食べるとメチャクチャ腹いっぱいになる病院食の謎。それにしても看護婦さん優しいな。病院で言われてんのかな。医者も優しいけど皆にこやかで優しい。あと看護師さんが次々変わる。毎日違う人が担当とか言ってやってくる。ホス狂の世界みたい。それにしても髭剃りはミスった。手術前に剃らなかったのは致命的なミスだ。最悪。

持ってくればよかったと後悔

→ナガノとか愉快な本、楽しい本、青棒(足つぼマッサージ)、PC用イヤホン、USB(小説やゆっくり動画のデータ入り)、枕、クッション、鏡(小)、時計(小)、下着

 直ぐ帰れると思ったから持ち物を完全油断。下着とか全然持ってきてないし、逆に手に入るものを山ほど持ってきてしまった。テレビがつまんないし、飲み物も冷え冷えで飲みにくいのでテレビカード抜いてやった。ベッドの上でじっとしてるのがどうしても無理なので立ってヨガやらマッサージやらしている。

 夜寝られなくなる。相部屋の爺さんたちの呻き声+鼻に突っ込んだ詰め物の息苦しさ、術後の発熱、怠さ等々で、自律神経が麻痺している。21時半の回診&点滴交換の看護師さんが来たので、2回目の痛み止め薬とタオルで包んだ冷えピタ的なヤツを持ってきてもらう。安定剤もあると言われたが、過去に飲んだ経験からヤバいと思い痛み止めにする。嫁とLINE。ほとんど100%一緒にいたのでこの状況は地獄。抱き枕的なものが欲しい。薬の効果なのか身体がポカポカしてきてようやく就寝。

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