実験電車/蛭子能収
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テレビで蛭子さんが出ているのを最近よく見かける。タレントとしてあのイカれた…いや、イカした漫画家が普通に出ているのが非常に驚きだ。温和で優しそうな蛭子さんだが、根っからのギャンブラーで狂った漫画を世に産み出し続ける怪人である。

ギャンブル中毒は有名で、1998年11月に、東京都新宿区歌舞伎町の麻雀店で麻雀賭博の現行犯で逮捕されている。本作は、「シュール・ド・エロ」と書かれた通り。というよりまんまの内容となっている。全15作の短編が収録されているが、どれもまぁ過激でシュール。頭のぶっ飛んだ話ばかりである。そして、説明しようがない。田舎から上京してきた蛭子さんは東京についての想いを漫画や四コマにする事も多い。東京に対するイメージは冷たい、周りの人間は自分を馬鹿にしている、女性は裏切る。蛭子さんの漫画を読んでいるとそんな気持ちで暮らしていたんだとわかる。蛭子さんは、つげ義春先生の傑作「ねじ式」を読み、「大阪万博を見に行く」と嘘をついて上京したらしい。ちなみに本書で一番好きなコマはこれ↓。なんだか駕籠真太郎みたいな笑わせ方だと思った。

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ちなみにgerogerigegegeの「パンクの鬼」は、蛭子さんの絵が描かれている。これを山之内純太郎が依頼したのかと思うととても面白い。

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