2016年7月16日 沈む船に喜んで飛び乗る感じ3
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嫁と弟君と地元を散策する。しかし見る場所がない。とりあえず砂浜を歩ける漁港へ向かう。天気は見事に曇天に覆われ、ぶ厚い雲からは光が差し込む気配すら感じられない。砂浜に足跡がつくと、コブクロの「ALL SINGLE BEST」のジャケットのように見えた。はぐれたであろうドン臭そうなカモメが1羽を発見。波辺をペタペタと歩いていた。海は透き通っており、小魚が泳いでいる。小雨もぱらついているので釣りをしている人間はいない。しかも平日の真昼間だからなおさらいない。3人で喪服でも着ていたら自殺に見えるなー何てことを思いながら歩き続けた。大量の貝殻と石が道を作り、小島へ渡る事ができた。大した距離じゃないし、島というほど大したものではなかったけど。大きな流木もあった。どうやら流木は売れるらしいので、次に来たときは回収せねばならない。金になるものは何でもGETだぜ!!石投げをガチでやったのは初めてだったが、石を選ぶ目はアスリートのそれに近かった。

復興屋台村で海鮮丼を食らうわけだが、賄い飯がとにかく大盛りで衝撃的だった。激しい肉体労働者の体力を賄うにはこれくらい馬鹿でかくなくてはいけないわけだ。サイズについては半田屋を参照願いたい。そして甘くて熱い海苔入りのみそ汁をすすり満腹。平日の昼に来たが、客もおらず復興してる感じはまるでない。大丈夫かこれ…。復興についてとやかくは言わない、と言うより自分自身の復興自体できていない。自分自身のことすらしっかりできねえ鼻糞野郎が復興がどうのと熱く語っても仕方ない、それは政治家にも言えるかも。

とにかく見る場所がない。やはり復興ということもあり、まだ段階的には全てが途中になっている。まだ出来ていないので見に行く場所も出来ていない。美術館があるので、そこまで車を出し見に行った。天気は朝から変わらず曇天に覆われ、どうせなら豪雨で構わないのに小雨。やってるのかやっていないのか怪しい美術館はとりあえずやっていて、庭園においてある汚いガラクタは粗大ゴミではなく芸術作品だった。館内はもちろん我々しかおらず、案内の女も警備員も重い腰をあげフラフラと働きだす。羨ましい仕事だ。地元の歴史がわかるコーナーで、昔使っていた農具や結婚式の際の儀式を学び、美術品が眺めることができるコーナーで美術品を眺めた。感想は凄かった、特に素晴らしかった作品は全て。タイトルは何一つ覚えていない。地下に震災博物館みたいなコーナーがあり、今思い出しても体調が悪い。

俺は、震災で祖父、祖母、叔父を亡くしている。悲しいし、死ぬほど泣いて鬱になりかけたが今はもう平気だ。地下のコーナーにはぐちゃぐちゃに潰れた生活家電や家の柱、瓦礫や震災後の風景が撮影された写真などが陳列されていた。このインパクトと迫力に吐き気と眩暈で具合が悪くなった。グロ動画をノーモザイクでご飯を食べながら見られる俺だが、色々と思うこともあり非常に辛い時間だった。祖父達が流されたであろう場所などがハイクオリティーな画質で掲載されており、ここまで高画質を恨んだことはなかった。家電製品や生活家電には紙が貼り付けてあり、亡くなった持ち主の家族が書き残したような台詞が書いてある。妄想力・想像力が豊かな俺は、色々と設定を頭の中で組み立ててしまうので見るたび苦しい。それなら見なきゃいい話だが、車を運転していて、道路に転がる動物の死骸から目が離せなくなるのに近いかも知れない。不謹慎かもしれないけど。全部見終わった後は気持ち悪くてしばらくトイレに籠った。げんなりとした表情で美術館を出た。生気を吸い取られたような感じだった。

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