青空文庫4 「三つの眼鏡」夢野久作

夢野久作と言えばオカルトチックな物語が印象深い。「三つの眼鏡」は新しい夢野久作に出会える。日本昔話のように微笑ましい気持ちになる。もう一度タイトルと作者を確認したが、間違いなく夢野久作の作品だった。寧ろ感動作でもある。小学校の道徳の時間に聞かせる様な内容だ。ざっくり案内する。

お母さんが亡くなってからいたずらをしてばかり居る武雄さんが、お父さんとお姉さんとお祖母さん3人の眼鏡をもって遊びに行く。帰ってきて困り果てた3人は、眼鏡が無いので火傷したり足を怪我したり散々な事になる。そこに糞ガキ武雄さんが帰宅。「お母さんが見たければ、その眼鏡を3つとも掛けて見つけろ。そうして御飯を食べさせてもらえ」とRPGの王様のような台詞を吐き捨てたお父さんの手によって武雄さんは倉にぶち込まれる。お父さんが言った通りに3つの眼鏡を掛けると、暗闇の中から懐かしいお母さんの姿が!!「武雄や、お前はお母さまがいないからといっていたずらをするならば、私はもうお前を児と思いません。お前がお母さんの事を忘れないように、私の心もお前 の傍へいつまでもつきまとうております。どんなに蔭でわるい事をしていても、お母さんはちゃんと見ております。お前がわるい事をすればお母さんが笑われる からです。このことを忘れないで、どうぞよい子になってちょうだい。よいか、武雄さん、忘れてはなりませんよ……」と云ううちに、みるみるお母さんの姿は消えて見えなくなりました。いつの間にか武雄さんは床の上でねむっておりました。その時お倉の戸があいて、お父さんが、「さあ武雄、御飯を食べろ。これから悪い事をするときかないぞ」とおっしゃいました。

武雄さんは良い子になりました…と言う話。何だか夢野久作らしからぬ作品だが、何だかほっこりする話だ。結局、武雄さんはお母さんに甘えたかったんだな。それにしても、お父さんの戸を開ける絶妙なタイミングはなんなんだ。

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