天より下にありし者 交通誘導員 97日目 誰だ?
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この間、実家に帰った時に母親が車に顔をなぞって書いてた。全く洗車してないから未だに残っている。正直なところ、今の車は親父と叔父さんに無理やり売りつけられたようなもので愛着が全くない。残金を支払い終わった瞬間に廃車にしたいくらい好かない。錆びようが傷がつこうがどうでもいい。お好きにどうぞ。

今の現場の駐車場はデカい会社の駐車場だ。様々な現場系の会社が共同で使用しているので、元請けの業者以外の車も沢山駐車している。そんなわけで色々な人がウロウロしているわけだが、たまに思い切り話しかけられる場合がある。

駐車場には共同のトイレが併設されている。駐車場利用者がみんな使っている公衆トイレだが、公園のトイレとは違い洋式トイレで家のように清潔だ。山や住宅街に立つ警備員にとってトイレ問題は重大で、立ちション野ぐそは当たり前。今の現場はこんな清潔なトイレが使えるので本当に助かっている。

そんなトイレでオシッコをしていると、隣りに知らない現場のおっさんが来てオシッコをしながら声をかけてくる。

おっさん「大変だよな」
俺「え?ああ、はい」
おっさん「大変だろ?」
俺「いや、まあ立ってるだけだし。他の作業員さんの方が大変だと思いますよ」
おっさん「ああ」

不毛な会話と言うか、会話として成り立ってもいなかったが、あれは誰だったんだろう。この間は、また違うおっさんで帰りがけに声をかけられた。

おっさん「お疲れ」
俺「お疲れ様です」
おっさん「今日はあがり?」
俺「はい、終わりです」
おっさん「まだ現場やってるの?」
俺「あー現場の人達は夜までやってます」
おっさん「いや、そうじゃなくて警備員は?交代?」
俺「あぁ、警備員は今の時間までなので終わりです」
おっさん「そうなんだ」

おっさん車に乗り込む

俺「お疲れ様です」
おっさん「お疲れ」

帰り際、目の前を通り過ぎるおっさんは片手を挙げて、軽く会釈していた。名前も会社もわかんないし、顔も全然覚えてないけど、なんか良い気分になった。

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