ガードマンという名称と制服はカッコいいが、仕事自体は全然カッコよくない。場所や現場によって忙しさはまちまちだが、基本的には旗を振り、笛を吹き、突っ立っているだけだ。それが仕事なので何も言われない。それ以外は、俺たちの仕事ではないので何もしなくていい。その場所に存在さえしていればいい。まぁ、それでも怒られたり、出禁になったりする奴もいるので不思議なんだが…。
そんな俺のガードマン・ジョブ。ある時、ふと思った。実際に仕事をしている時間を『旗を振っている時間』だとすれば1日の労働時間は物凄い事になるんじゃないかと。
ダンプが近づいてきて旗を振る時間:約6秒
ダンプが現場から場外へ出ていく時に旗を振る時間:約4秒
ダンプが2台周りで1時間に4回:8回
1時間に旗を振る時間:10秒×8回=80秒=1分20秒
午前午後休憩1時間+昼休憩1時間=2時間
1日の労働時間8時間-1日の休憩時間2時間=6時間
1日の労働時間=80秒×6=480秒=8分
という事は、旗を振る時間をガードマンが労働している時間とするならば、大体1日当たりの労働時間は8分って事か。恐ろしく楽だな。ノルマも残業もなく、接客や愛想もいらない。ただ、その場所に存在しているだけで金を貰える。こんないい仕事なかなかない。