ここ最近読んだ本の中では「FBI心理分析官 : 異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記」と同じくらい面白かった。全然内容は違うが、両方の本に共通しているのは『伝えようとしている情報が圧倒的に多い』という点に尽きる。あまりにもあたり尽す内容が膨大過ぎて情報量が追いついていない。だから、どんどん読み進んでしまう。
この本を購入する少し前に嫁が『岡田斗司夫ゼミ4月15日号「本当は10倍怖い『火垂るの墓』~アニメ界の怪物・高畑勲監督追悼特集」』が面白いと言ってYOUTUBEを勧めてきた。見てみると高畑監督が、本当に伝えようとしていた火垂るの墓には様々な謎がある事が分かった。
なるほどコレは面白い。そして、続きが超絶気になる!!!ってな具合でニコニコ動画の有料会員になって続きを見る。これまた面白い、そして怖い。大満足の火垂るの墓だった…が、じゃあ有料会員になったし、他の気になる岡田斗司夫ゼミの放送でも見ようかしらん♪と思ったところ、これが見事に興味がない。岡田斗司夫が好きなアニメが自分の趣味に合わず、段々と笑い方もイライラしてきた(笑)火垂るの墓は、最高に面白かったが他は全然だったので、俺はこの放送しか見なかった。
「天才の思考」は、鈴木敏夫のインタビューの内容を編集やら何やらした本なんだけど岡田斗司夫ゼミよりも遥かに面白い。当たり前か。岡田斗司夫の放送とかは、あくまで感想や評論であって、制作についての話じゃないんだよな。だから裏話よりも制作秘話が聞きたい俺からすれば、岡田斗司夫の評論よりも制作に直接関わった鈴木敏夫の方が面白いってわけ。つーか、どっちもTOSHIOじゃねーか(笑)
この本は、実は自己啓発、仕事に関する勉強の本でもある。もちろん内容としては、鈴木敏夫が高畑勲や宮崎駿という天才と映画を作って、ジブリを作って、映画を成功へ導くサクセスストーリーなんだけど、肝心なのは鈴木敏夫という人間の位置づけ。読めばわかるが、鈴木敏夫のプロデューサーとしての敏腕さを感じざるを得ない。本人のインタビューなので、どこか調子のよいように調整しているのかもしれないが、それにしても凄い。
人脈、ごまかし、人間関係、タイミング、マネジメント、金銭管理、人員管理、ダメだし、粘り、精神力、決断力…等々、ビジネスで必要となる仕事術が学べる。高畑勲、宮崎駿のネームバリューに押されそうになるが、これをビジネス書として読むと非常に勉強になる。気難しい上司をいかに味方につけるか?そんな悩みにも回答が出せる。アニメや映画の世界を志す人間が読んでもタメになるが、仕事について悩んでいる全ての人にとってもヒントになる本じゃないかと思う。