売れた商品を発送する為に、車へ乗ろうとした。すると駐車場の前で工事をやっている。遠目で非常に嫌な予感がしたが、見事的中した。俺の車が駐車している真後ろを水道工事しており、大きな穴が開いている。「うわ、出せないなぁ」と困っていると、現場責任者と思われる一人のオッサンが近づいてきた。俺が車を出したいと申し出ると、「すみません。車の鍵を貸してもらえますか?」と低姿勢で鍵を受け取り、上手い事車を出してくれた。工事完了まで4、5時間かかるようだと告げられ、荷物を出すだけの用事がちょっとした遠出をする事になった。せっかくなので、何かイベントでもやっていないかと色々検索する。時期的に夏祭りや花火大会もまだなく、岩手県の平泉で「あやめまつり」を見る事にする。車で1時間程で到着する。
午後からの散策だったが、天気も良く、園内も広かったので人ごみも気にならなかった。「あやめまつり」は、毛越寺という一関ICから15分ほど行った場所にある。世界文化遺産の平泉らしいので、駐車料と入場料はやむを得ない。異圧感のある正門をくぐると、お年寄り8割、若者2割、お客の入りはまぁ平日にしては多い方ではないだろうか。本堂を横切ると広い庭園に出る。青や白や紫の美しいあやめが何列も並んでいるのが目に飛び込んでくる。あやめは、鼻をかんだティッシュのような物だと意味もなく否定的だったが、いざ見ると美しい造形美に心奪われる。
あやめに囲まれた中心に女子アナらしき女性が立ち、数メートル先にカメラマンやディレクターらしい人が何やら指示を与えている。寺の中心部には整備された庭園と巨大な池がある。巨大な池には、ドラクエ風の船が泊まっており、その前で儀式の準備が執り行われていた。
ポスターやパンフレットを見てみるが今日は何のイベントもない。コレが何の目的で現れたのか不思議でならなかった。庭園をぐるりと回ってみる。ゴルフ場のように綺麗に整備された芝生が続き、ゴミ一つ落ちていない。沈みかけている陽が池に反射し、とても綺麗だ。自然をたっぷり満喫することが出来、俺も嫁も幸せな気持ちでいっぱいになった。
ドラゴンクエストw