サブカル界伝説の作品に「ねじ式」というカルト映画がある。そもそもは、つげ義春のシュールな漫画が原作となっている。日本のサブカルチャー文化は、この作品から生まれたといっても過言ではない。中学の頃の話になるが、俺が中学の頃は無気力でヤル気がなくて刺激を求めてフラフラしていた。今と大して変わらないが、今の俺と違うのは「もっと非現実的でアンダーグラウンドな刺激が欲しい」という欲求だった。28歳の今の俺ならクレジットカードもあるし、エロ本も堂々と買えるが、中学生の俺は「殺し屋1」(R-18)の映画ですら親父に借りてもらっていた。大人に慣れないもどかしさと刺激を求める欲求が俺を日々苦しめていた。永瀬正敏主演の「けものがれ、俺らの猿と」を鑑賞した俺とSは、そのキチ●イな発想に心打たれていた。寺山修司の「田園に死す」を5、6回見て、ギャラクシーエンジェルに酔いしれていた。そんな異常者がTSUTAYAで手に取った映画が「ねじ式」だった。漫画とDVDでどっちが先だったか覚えていないが、とにかく感動した。説明の出来ない「何か」が俺の全身を震わせた…。
漫画と映画のねじ式は内容が異なる。異なるというよりは、つげ義春の様々な短編漫画が映画版ねじ式に追加されている。主演は天下無敵の浅野忠信。超クールで超カッコいい。映画が始まると、ドロドロの人間がサイケな色合いと共に暗黒舞踏(?)を踊り狂う。B級特撮映画のようなスタートで、初見はいきなり不安になる。売れない貸本漫画家が、だらだらふらふらとヒモ状態で暮らしている。羨ましい…つげ義春は水木しげるが「男前」と鬼太郎の漫画で描くほどカッコイイらしい。そして凄いモテたらしい。放浪しながら女を抱いて漫画を描くなんて夢みたいだ。しかし、売れるまでの道のりはきっと大変だったに違いない。完全に漫画を再現した映像は、今も色あせることがない。
ねじ式は、当時から圧倒的な支持を得ており、PCゲームや短編アニメにもなっている。あの内容を、ゲームにして一体どうなるのか全く不明だがYOUTUBEに挑んでいる人がいたのでぜひ見てほしい→
https://www.youtube.com/watch?v=ZgGKQKvc7DA
アニメは昔話のような語り口調で進行する。一部のサブカル病患者のみの為に作られている。アニメというよりは紙芝居を見ているような気分になった。しかし、ねじ式の不気味な雰囲気がちゃんと出ているので出来は素晴らしい。
ねこねこ♡