映画鑑賞32 かぐや姫の物語
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映画鑑賞32 かぐや姫の物語

好き嫌いをしてしまう人の気持ちは痛いほどわかる。俺も最初はバカにしていた。ジブリが日本昔話を映画化なんて世も末だなと冷ややかな目で見ていた。物語だって知ってるし、今更見る価値なんかないだろうとみる前から酷評していた。しかし、いざ見てみると素晴らしい出来だった。物語は、そのまんま皆様ご存知の「かぐや姫」なわけだが、美しく繊細な絵とアニメーションと台詞と音楽が心を打つ。気が付けば世界観から抜け出せなくなっている。

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個人的に面白いと思ったのは、チャボ泥棒する落ちぶれた捨丸あんちゃん(Fate/stay nightでいう切嗣みたいに名前が良くないんじゃないかと思う)がボコボコにされるのと、かぐや姫の身の回りの世話をする女童が嫁にそっくりな事。感動したのは、故・地井武男さんの翁役の声。村の子供たちが、どんどん成長するかぐや姫を「たーけのこ、たーけのこ」と囃し立てるのに対し、翁が「ひーめ、ひーめ」と必死になってかぐや姫を呼び、呼びかけに答えたかぐや姫を翁がギュッと抱きしめて喜ぶ姿は泣ける。最後は、気色悪い御門(俺は八割コイツのせいだと思ってる)のせいで、ウンザリしながらもまぁまぁ楽しかった地球での記憶を抹消され、東京スカパラダイスオーケストラみたいな神様たちに連行される。記憶を消されたかぐや姫だが、目には涙を浮かべている。とても切なく儚い物語だった。

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