家族天国/蛭子能収
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蛭子さんの漫画は何冊も読んできたが、これが最高傑作かもしれない。内容が完全に地獄にもかかわらずタイトルが「家族天国」と皮肉たっぷり。主人公、妻、子供×2(男の子・女の子)という家族構成で17話の短編が収録されている。実際の蛭子さんもこの家族構成なので、蛭子さんが家族と生活している中で不条理に思う事、納得できない事を漫画で派手にぶちまけているように感じる。「part:4俺の息子に手を出すな」で描かれている話は実際に蛭子さんが頭の中で思った事らしい。息子が鬼田君(悪い友達)を連れてくる。その鬼田君は糞ガキで、息子の物を奪ったり、人の家のお菓子やジュースを強制的に奪う。それでも息子は反抗できない。父親(漫画版蛭子さん)も、鬼田君に文句を言うことが出来ず、プリンを食べられ、息子に買ってあげた顕微鏡も奪われてしまう。

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現実世界ではここまで。しかし、蛭子さんの復讐は漫画で果たされる。この後、鬼田君は変装した父親にバットでぶん殴られ首を吹っ飛ばされる。父親は顕微鏡を取り返しめでたしめでたし♪これを読んで思い出すのは、早見純氏の漫画。主人公の漫画家(多分早見純)は、ネタに行き詰まり、家を飛び出す。近くにいる女性に襲い掛かり、犯している(犯そうとしている?)ところに男が出てきて、その男の目玉を切り裂いて逃走。部屋に戻って「よーし書くぞ」とやる気満々に執筆する。まさに自分の妄想や欲望を漫画に詰め込んでいるわけです。

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猟奇的な上記の絵は、愛がない乾ききった家族を全て無くそうと、子供2人を妻の胎内に帰している絵です。ちなみにこの足は先に戻された男の子の足である。この後、娘も胎内に戻り、子供達は精液に戻り、その精液を父親がストローで吸うという強烈な内容になっている。寺山修司の映画『草迷宮』で母親が主人公に対して「もう一度お前を妊娠してやった」と言って膨らんだお腹を見せつけるシーンがあったが、子供を子宮から胎内へ戻すという発想は常人離れしていると言わざるを得ない。こんな頭の螺子がぶっ飛んだ人がバラエティ番組で人気者になってるんだから世の中は分からない。

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