現場にもよるが、俺がいる現場では、お昼の1時間休憩とは別に午前と午後に30分ずつの休憩がある。工期が迫っている現場や作業員が早く終わらせようと試行錯誤している現場では、休憩がない場合もあるが、俺の現場は工期が死ぬほど長いので、結構休める。疲れていれば仮眠をとるが、少し元気な時はYOUTUBEを適当に見て時間をつぶすこともある。
この間はYOUTUBEを見ていたら無性にメグちゃんが見たくなった。学生時代、あらびき団に出てきていたメグちゃんは、意味不明なギャグにコミカルな動きをする謎の女芸人。ハッキリ言ってウケないんだけど、元気いっぱい笑顔でネタをする点は、いかにも芸人らしく、見ていて微笑ましい。祖父が官僚で、厳格な家庭に育てられ、一時期芸人として無期限活動停止になったこともあったらしい。無期限活動停止もなにも、そこまでテレビに出ているわけでもなかったけど…。
それにしても、あらびき団は面白いなぁ…と言いたいところだけど、あらびき団はスタッフの編集とか東野のツッコミが面白いわけであって、ネタそのものが大爆笑…というのはあまりない。それが、味だったりもするわけだけど、最近は、あらびき団常連組が、賞レースとかで優勝したり、普通にバラエティ番組に出演しているのを見ると世の中はおかしくなってるんだなぁとしみじみ感じる。
メグちゃんのネタで苦笑いを浮かべた後、なぜか爆笑問題の太田と神田松之丞の対談が、あがってきた。神田松之丞が、「立川談志のらくだが凄い」とメチャクチャに褒めちぎっていて、そんなにすげぇなら見てみようってことになって見た。落語は、浅草に行った時に見たのと、今年の夏に立川志の輔を見たのが全部。あとはネットやテレビで有名な話を何個か見たくらいで、正直あんまり詳しくない。
「らくだ」の感想としては、なにがそこまで凄いのかわからなかった。凡人の俺には、ごくごく普通の談志落語って感じだった。太田が談志を尊敬していたから話を入れ込んだじゃないだろうか。でも、立川談志は凄かった。
本人も言ってるんだけど談志の落語って聞きとりずらい。なんかゴチャゴチャ喋るから、素人の俺には「今なんて言ったんだろ?」なんてなっちゃう。登場して、本題に入る前のマクラまでグダグダしゃべる。言っちゃ悪いけど、ここまではただのジジイって感じ。「なんか立川談志凄いって言うけど普通のジジイじゃん!」って思う。でも、いざ落語が始まると水を得た魚のように生き生きとし始めて、人が変わったかのようにしゃべり出す。
その勢いが化け物みたいで、一気に話に引き込まれていく。あっという間に談志の世界観に入り込んじゃって抜け出せなくなる。次々と出てくる登場人物のちょっとした仕草が絶妙で、これがまた面白い。特に酒を飲むシーンは、本当に酒があるかのように見えるし、本当に酒を飲んでいるかのようで感動すら覚える。とにかくカッコイイ。若い時はもっと凄かったんだろうか…。それにしても、メグちゃんから立川談志に流れるとは、YOUTUBEおそるべし!!なにそれ?