少し前の警察24時で窃盗犯を特集していた。警察が店の防犯カメラを確認し、万引きやスリを捕まえる。そんな内容だったと思う。俺くらいの年代の男性が、買い物中のお婆さんの財布をパクって現行犯逮捕されていた。警察24時がやらせかどうかはわからないが、現行犯逮捕した警察官は、『弱者を狙った卑劣な犯罪は許さない』みたいなことを偉そうに言っていた。
俺
本当にお婆さんが弱者なんだろうか?
財布をパクったのが良いとは言わない。だが、逮捕された男性の方が社会的弱者の場合もあるんじゃないか。俺の勝手な妄想だが、もしこの男性が幼い頃に親から虐待されていて、天涯孤独で、真面目な性格で働きまくっていたのにイジメやら人間関係のトラブルでやむを得ず仕事を辞めることになった。頼る人も機関もなく、「若いんだから頑張れ」「サボってるんじゃない」「人生を舐めるな」と世の中からバッシングを受け、でも生活保護とかには頼りたくない。貯金も底をつきかけている。アパートを出て行かなきゃいけない。
今日の飯代だけでも…。目の前にババアの財布が…。
年金暮らしでのうのうと暮らしているババア。金はいくらでもある。孫が遊びに来れば1万、2万。お菓子もオモチャも買ってあげる。今日は刺身でも食べようか。
力比べしたらババアは弱い。しかし、本当の弱者なのかと言えば怪しい。人の財布を盗まなきゃ生きていけない男性の闇…。俺はそっちの方が気になった。