『妄想代理人』を鑑賞した
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 結構前から見たいとは思っていたが、なかなか見る時間も借りに行く時間もなくて我慢していた。今敏監督の『パプリカ』『パーフェクトブルー』は鑑賞済みで、こんなに凄い作品を作る人が作ったアニメが面白くないわけないと確信していた。しかし、嫁は今敏監督の作品が「気持ち悪いから見たくない」と言っており、それに対して「そんなことはない」とハッキリ言うのも難しく、結果的に1人で見る事となった。

 嫁が嫌いなポイントとしては、オープニング。壮大な背景が次々と変わる中で、中心に重要人物たちが立ち何やらゲラゲラと笑っている。確かにこれを見たら「不気味」「気持ち悪い」という感想になるのも無理はない。妄想代理人はDVDで全6巻で、最終巻には特典として今敏監督の妄想ラジオが収録されている。その中で、監督はオープニングについて語っている。

 オープニングを見ていた視聴者は、様々な憶測をしていたらしいが、監督曰く意味はないとのこと。深夜のアニメなのでオープニングは、壮大な平沢進の曲で目覚めて、エンディングは静かな曲で眠れ。というくらいの意味でしかなく、ゲラゲラ笑っているから何かあるとかそういうことではないらしい。監督は「なんにでも意味があると思わない方がいい」という考えなんだとか。言われてみれば最近のアニメは、伏線や全てに意味を求めすぎているかもしれない。

 SFのようでミステリーのようでサスペンスのようで、でも急にギャグっぽかったり、何が関係があって何が無関係なのか?多分ほとんどが無意味で、必要な情報は半分もなかったのかもしれない。全13話、毎回新しい短編アニメーションを見ているような感覚になった。最初は伏線探しで一生懸命だったが、途中から「これもしかしたら意味ないかも」と考え始めてからは、少年バットにぶん殴られたように楽な気分になり、オープニングの登場人物の如く笑いそうになった。意外と尺が余ったりしたかも。後半に近づくにつれて終わってしまう寂しさが襲い、とても辛かった。

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