天より下にありし者 交通誘導員 505日目 2番のアヒル
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鳥好きとしては見逃せないポスターが貼ってあった。ラジオ体操の最中も朝礼の時も俺の視線はポスターの鳥たちに向いていた。そして、横にいたKさんに声をかけた。

俺「Kさん、3番の上に乗っているアヒルは階段から下りれるけど、2番のアヒルは降りられないですよね」
Kさん「2番のアヒルはあそこでずっとクルクル回るか勇気を出して思いきり……」

なるほど厳しい世界だ。母親のアヒルはもういない。子供たちは自分で考えながら生きていくしかない。何事もない現実を薄ぼんやりと生きる大半のアヒルたち、しかし、その一方で過酷な状況下で生きるか死ぬかの瀬戸際のアヒル。勇気を出してみんなの元へ飛び下りるしかない。頑張れ、2番のアヒル。

本日も5名で集まったが、4名でいいと言われて1名が帰宅。俺は無言で見送った。するとKさんが間髪入れずに「俺、めだまさんが帰ると思ったよ。いっつも真っ先に帰りたいって言うから」と言い出した。確かに言われてみれば、同じように人が不要になった場合、今までは誰の許可もなく勝手に「俺帰ります」と直帰していた。しかし、散々に休みまくっているし、復帰して初の二連勤だ。ここは残るのが当たり前だろう。仲のいい元請けの若い子に「そろそろ壇上に上がりたいんじゃないですか?」と言われたが、やんわりと断った。面倒だし、もうやりたくない。

セロトニンの影響なのか物凄く眠い。もうバカみたいに眠い。片交やりながら寝てしまいそうな勢いだ。「眠い眠い」と言っていたらMさんが「先に休憩入りますか?」と声をかけてくれる。優しいお言葉だが断り、なんとか作業を続ける。単純な仕事だけど下手するりゃ死ぬし、間違えたら事故も起きる。実は神経とかすり減らす仕事だから身体も疲労するわけだ。膝も痛い。今日は手袋を持ってきたが、やっぱり寒かった。

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