実録 田中角栄/大下英治
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かなりボリュームがあった。昨日の朝から夜までガッツリ上下巻を読みつくした。誕生から死の直前までの田中角栄の人生をまとめている。

俺は、とある政治家の選挙事務所で働いていた時期がある。就職した会社を実質クビになって、無気力なまま家でゴロゴロしている俺に嫁が紹介してくれた事務所だ。そこの政治家先生が、熱狂的な角栄信者だった。先生の面談室には角栄の本がズラリと並び、本書を読む限りかなり角栄を意識した性格をしている。

「田中角栄 100の言葉」という本は以前に読んだことがあり、今はコンビニでもよく置いている。最近、フルタチさんというテレビ番組の中で、田中角栄の貴重な演説映像を見て、田中角栄はどんな生き方をしてきたのか気になった。言葉、裏金、ロッキード事件、自己啓発などの書籍は多く出版されていたが、田中角栄の人生をまとめたものは探した限り本書だけだった。内容はグダグダしてなくて簡潔にまとめられていて読みやすい。余計な感情論も少ないので、起きた出来事を淡々と理解できる。「実録 田中角栄」とあるが、田中角栄が産まれてから亡くなるまでの国内情勢や政治、国会も勉強することが出来る。なので、田中角栄が生きた時代を学ぶこともでき、歴史書ともとれる。

異例だらけで波乱に満ちた田中角栄の人生は凄まじく、アニメや漫画の主人公のような破天荒ぶりに興奮しながら読破した。田中角栄の先輩や戦った同期はほとんど亡くなっているが、その頃に活躍した政治家の子供や孫が今も現役で政治を行っている。中川、安倍、石破、福田など、聞いたことのある名字をWikiで調べるとやっぱり血縁関係があったりする。俺は、歴史や政治の知識がまるでないのでスマホ片手に読んでいた。様々な人間関係が交差していてドラマチックだった。

人情にあふれ、誰よりも熱く、誠実な人柄は、その発言一つ一つや、周囲の人からの言葉を聞いても素晴らしい人間だったことが分かる。全力で国とぶつかり、自分のやりたいことをやり抜く能力と決断力がある政治家は今はいない。何も決められない今の国家が本当に情けないと改めて感じた。

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