犬とチャーハンのすきま/町田康
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賃貸の営業をしていた時代、スーツを着て車を走らせ、近所を行ったり来たりしていた。社会人も何年目かになり、とりあえず頑張って生きていた。それでも日々はクソッタレで、毎日ろくでもない事が発生し、責任を押し付けられ、追い込まれ続けていた。

そんな日々の中で、なぜか購入したのが「犬とチャーハンのすきま」だった。INUも町田康(町田町蔵)も俺の感覚を狂わせたバンドや文学であり、追い詰められたタイミングで再び出会ったのは、何にかしらの因果があるのではないか?と勝手に解釈した。比較的入手困難というわけでもなく、簡単にネットで購入できた。

原作が町田康だからなんだろうが、『けものがれ、俺らの猿と』をふと思い出す。意味不明なタイトルと、きっと意味も何もないであろうジャケットを眺め、タイトルに目をやると…笑える。嫁にも曲名だけ見せたら「面白い」と絶賛していた。町田康の上手なところは、既にタイトルだけで『どんな曲なんだろう?どんな歌詞なんだろう?』と空想させ、興奮させ、期待以上の驚きと衝撃を与える点である。何のジャンルでもなく、なのにちゃんと曲になっていて中毒性がある。何とも言えないけどまた聞きたくなる。

特に好きな曲は、「頭が腐る」「俺はいい人 」。もう既に町田康の世界観が溢れ出ている。俺のくだらない人生を映画にするならオープニングとエンディングは、この2曲にしたいと本気で思った。あとは取りつかれたように聞いてしまう「饂飩出汁」「うどんのなかの世界」もいい。つーか全部いい。気の触れそうな若い社会人にぜひ聞いてもらいたい。目の覚めるような狂気の名曲は、未だに俺の頭を腐らせてくれる。

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