以前紹介した『血まみれ天使』に比べると比較的ギャグ要素も多く（全然笑えないが）、初心者向けの作品となっている。他の単行本に収録されている話も収録されているが、早見純ファンとしては一向に気にならない。
まずタイトルと表紙が百点満点。素晴らしい。綺麗な美少女の後ろに色のない、ほとんど背景になりつつある醜悪な変態少年（もちろん早見純ｗ）が危険な視線を向けている。これだけで内容がいかに危険で汚らしく美しいのかが良くわかる。今から15年ほど前に発売された早見純先生の作品だが、俺は今でも覚えている。近所にあるAV屋の一角にサブカル系のエログロ雑誌の新品が陳列されており、その中にこの『変態少年―純の幸福な日々』が置かれていた。名前も知らず、金もなかったので購入しなかったが、タイトルと表紙だけは脳裏に焼き付いていた。普通に売っていたこの本が今やプレミア本だもんなぁ。
内容は、毎度おなじみ主人公・早見純が変態行為を連発する。他の作品との違いは、過激な強姦シーンが少ない部分…ないとは言っていない。しかし、早見純先生と言えば血しぶきや色々な液体がドバドバ飛び散る、そんなぶっ飛びサイコ作品が多い。臓器と言う臓器をメチャクチャに破壊するのがお決まりだ。ところが、本作は女性を破壊するシーンが限りなく少ない。どちらかと言えば早見少年が、ストーカーをしたり、セクハラ、猥褻的な行為を女性に対して行う日常をドラえもんくらいのテンションで描いている。それでも血は出るし、汚く、内容もハードだ。あと全編通してギャグっぽい展開が多いが、内容がエグいのであまり笑えない。エコエコアザラクの古賀真一先生が、急に漫画に登場して読者を笑わそうとしているのに笑えない…あの空気感に限りなく近い。あと早見純先生は、ツインテール少女がお好きなようだ。成人向けという記載がないのも衝撃！！
