今夜、すべてのバーで/中島らも
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眠っても熟睡できていないことが多い。と言うより熟睡して翌日スッキリした目覚めを感じたことがほとんどない。ここ数年は全くないんじゃないだろうか。嫁曰くブラック企業に勤めていた時は、寝言でキレたり、文句を言ったりと酷いもんだったらしい。寝言が言えるくらいならまだよくて、仕事で心配事がある夜は大体眠れないでいた。明日起きれなかったら…明日あれが失敗したら…そんな事を考えると恐怖で眠れない。心身共に疲れてるにも拘わらず眠れないのは本当に苦痛だ。その頃は夢も見なかった。たまに見ても会社の続きだったりと地獄みたいなものが多い。何で夢の話をしているかと言うと、この「今夜、すべてのバーで」を読んでいた3日間夢を見続けたからだ。残念な事に夢の中身は全く覚えてないので、何言ってんだ覚えてなきゃ意味ねーだろ馬鹿がと言われても仕方が無い。しかし、ここに引っ越してきて1ヶ月あまりで夢を見たとハッキリ意識したのは初めてだった。覚えていないけど、確かに夢を見ていた。

この小説は、アル中の主人公が病院に入院し、可笑しな患者たちと可笑しな入院生活を送るというもの。急に意味不明な幻覚を見たりする描写はゾッとする。中島らも氏は、大量の参考文献の中から書き下ろした内容だけあって、非常に勉強になる。作者本人が、酒大好きなだけあり、お酒を飲んだ時の「電熱コイルにスイッチがはいった感じで、胃の腑と食道に、ぽっと灯が点る」と言う言葉が堪らない。このセリフは本当に良い。アルコール中毒と聞くとあまり前向きなイメージは無いが、決して暗い小説ではないので安心して欲しい。

俺自身は、あまり何かに固執して中毒となる事はないと思う。好きな食べ物を何度も食べたり、同じ外食を何回も行きたくなるという事はある。しかし、アレが食べれなくて気が狂いそうだとか、食べてないから手が震えるなんてことは無い。今は煙草は吸わないし、酒もほどほどだが、中毒になるほどはハマらなそうだ。俺は、仕事上で今も付き合いのあるお客さんでアル中の人が結構いる。普段は温厚で、どちらかと言えば気が弱い位の人が多い。しかし、酒を水のように飲む。朝から晩まで暇さえあれば飲んでいる。酒に飽きたら煙草を吸う。あればあるだけいくらでも吸う。見ていて驚くほど飲み、吸う。その行為自体が「人間が呼吸をする」のと同じようなペースで行っている為、習慣化される。習慣なので止められないし、行為自体が当たり前になっている。そんな調子なのでアル中の人は毎日問題を起こすし、やっぱり仕事も出来ていない。

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