今日も呆然と立ち尽くす。何もない。目の前には何もない。工場内に一人でポツンと立っている。トレーラーを呼んでくると言った作業員さんはもう1時間も戻ってこない。まあどうでもいいし、このまま夕方まで戻ってこなくても俺は一向に構わない。休憩も勝手に取らせてもらう。目の前のコンクリから白い煙出てるけど大丈夫?ぶっ壊れないよね?
ボーっと立ってると爺さんの作業員がやって来て、俺の髪の毛の話になる。ムチャクチャデカい声で笑うのが面白いのでだいぶ笑わせた。作業中や何でもない時は静かなのに不思議だ。何か小さなプレハブみたいなヤツを作ってるんだけど、屋根の向きが逆だとか言い始めてちょっと問題になる。結果的に何とかなった。まあそんだけの話。