天より下にありし者 交通誘導員 113日目 太陽とシコシコブーン
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現場へ着く10分前くらいに通る道路から日の出が見える。朝の6時50分前後だと思う。あの太陽を見ていると今日もクソみたいな1日が始まるのかとイライラしてくる。現場に立ち、正面を見ると太陽が、青空と雲を引き連れて、さっきよりも若干上に位置している。目の前の建物に太陽が隠れると、眩しくはなくなるが一気に気温が下がって寒い。出ていても出ていなくてもムカつく野郎だ。

今日は数少ないしっかりした人と組んだので何事もなく、ストレスなく平穏無事に仕事が出来ている。しかし、彼は先ほど出し入れで若干危なかったらしい。現場の若い人に「ちゃんと見てましたか?」と軽く怒られたらしい。あんまり怒らない人なので珍しい。でも、この場所は危険地帯なのでこうなる事も多々ある。

お昼になると太陽はてっぺんで偉そうに光り輝いている。昼休みを終えると太陽は傾きかけている。この時期から俺は異常に帰宅したくなる。早く沈め。とっとと沈んでくれと願いながら空に祈る。雲で隠れると太陽の位置がわからず、それはそれでムカつく。昼前に太陽がいた場所に月が待機している。遅番かな?月ってちっちぇえなぁ。まぁ、お前が出番の時に俺はこの場にいないんだがな。

山に太陽が沈むと俺のテンションは逆に昇る。しかし、空は真っ暗になり、死ぬほど寒い。完全防備のつもりだが、手首と首の若干の隙間が俺を凍えさせる。そう言えば、今日の早朝に以前1度だけ喋ったことのある現場のオッサンと小便器で一緒に並んで「寒いなぁ」と声をかけられた。トイレの外で「ここは雪が降らないけど底冷えが凄いんだよ。頑張って」と話をしてくれた。俺は「ありがとうございます」と言った。話しかけてくれる人はみんな優しい。あの時話していた底冷えがこれか‼‼‼なかなか厳しいなぁ‼‼‼クソ太陽は、俺よりも早く帰りやがり、俺も現場でサインが貰えなかったイライラを心中にぶち込み、無駄に湾曲した道路をぶっ飛ばして帰路に就くのであった。頭痛がヤバい。

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