『駅前花嫁』に感化された俺は、次に気になっていた『大葬儀』も購入。こちらも圧倒的に気になる表紙に惹かれた。タイトルと表紙では、全く内容が分からない。とにかく中身が気になる。店内で破きたい気持ちを懸命にこらえつつ購入して帰宅。カバーの触り心地が最高。ザラザラとした質感に酔いしれながら開封する。
駕籠真太郎先生の作品の中でも『大葬儀』は、オススメの1冊だ。特に初心者向きだと思う。エログロナンセンスは勿論のこと、スカ、障●者、病気、SM、SF等が含まれており、駕籠真太郎先生がどんな漫画を描く人間なのかを知ることが出来る。他の単行本だと内容が、その都度偏っている場合が多い。それとは対照的に本作は、良くも悪くもバランスよく収録されているので、今後どんなタイプの作品を読もうかという道しるべになる。
葬儀を題材にしているだけあり駕籠真太郎ワールド全開で、むちゃくちゃに不謹慎なギャグが連発している。だが、それがいい。しかも、毎度のことながら遠慮がない。未亡人を狙う男、死姦趣味の男、被死姦マニアの女が入り乱れ、本物の未亡人を探しに駆け回るが、あちこちで葬儀が開催され、偽物死体やライバルが出現!!とにかく狂っている。他にも勃起した爆死する島の話、自分の身体を好きな女性に食べてもらいたい男の話など、普通の漫画家がタブーとしている領域をハイテンションで駆け上がる様は、まさしく奇劇漫画家駕籠真太郎先生にしか描けない。